JIMI-Lab
一般社団法人JIMI-Lab設立にあたって
私たちJIMI-Labは、個人、組織、地域、NPO、企業、行政など、様々な主体の間に発生している分断を解消し、社会の全体調和・相互共栄を目指します。
そのために、「社会のてこ」としての中間支援の価値を研ぎ澄まし、協働による社会課題解決を加速させます。
はじまりは、中間支援組織のあり方について共同研究しようとする有志の勉強会でした。
「もっと事業の中で役に立てる人材になりたい」
「どうしたら効果的な取組を展開できるんだろう」
「あの人が結果を出している理由はなんだろう」
問題意識を持ち寄り、様々なテーマで議論が交わされました。
中間支援のミッションとは何か、協働とは何か、コーディネートとは何か、どうすれば成果を出せるのか。
しかし、議論を重ねれば重ねるほど、問題意識は解消されるどころかより深まっていき、霧の中に迷い込んでしまいました。
率直に言えば、中間支援の存在意義が定義できなかったのです。
このままでいいのだろうか。これは、自分たちの根幹にかかわる、致命的で、放置できない課題であり、目を逸らすことはできないのではないか。
中間支援という存在はそもそも、社会に不可欠ではないかもしれないとも考えました。むしろ、その必要性がない方が理想に近いはずです。
それでも周りを見渡せば、多くの状況でステークホルダーの間の不理解が根強く、あるべき協働の姿を双方で見出せないままであることにも気づかされます。
中間支援の存在意義や定義はともかくとしても、社会には協働の「ハブ」の役割が不足していることは間違いない。であれば、やるべきことはある。
幸いにして、この想いを複数のメンバーで共有することができました。
まずはここから始めよう、走りながら考えよう、実態をつくろうと決めて、名前をつけて動き出しました。
Japan Intermediary Innovators Laboratory
JIMI-Lab
日々の困難に喘ぐ「誰か」の状況は、当然ながら、個人の意識や努力だけに責任があるのではありません。
家族、学校、会社、地域、法律・制度、先入観、様々な要因が複雑に影響し合う中で、社会全体の構造・システムに分断・エラーが発生していることを背景としています。個人の課題ではなく、社会の課題です。
加えて、どこか特定の主体に力を集中させ、サービスの形で再分配することには限界があるということには、多くの人が気づいているのではないでしょうか。
だからこそ、深刻化する社会課題の解決を加速させるためには、絡まり合う関係性を紐解いて結び直す、「協働」が不可欠です。
あらゆる主体が立場を超えて、手を組み、力を合わせる必要がある。
けれど、それが難しい。
互いの違いを理解し、目的を共有し、対等な立場でともに取り組む本当の協働は、口で言うほど簡単ではありません。
残念ながら、多くの現場で、形だけの協働を見てきました。また、残念ながらJIMI-Labメンバー自身がその当事者として甘んじてしまった経験もあります。
それぞれの組織や人が自己の利益を優先し、あるいは不作為に留まり、協働における共有ビジョンを達成できずにいました。
誰かの利己的な言動・行動がそうさせるのではなくとも、協働に取り組む際には高い確率で発生してしまう現象のように思えます。
誰かが意図的に目的を共有し客観的視点での問いかけをしないと、局地的な個別最適しか生まれないということです。
だとすれば、常に半歩先を見通して、協働を促進するための媒介となる「社会のてこ」のような人材が不可欠だと考え、それこそをJIMI-Labとしての「中間支援」の定義としました。
その上で、自ら求める水準に対して発展途上にある私たち自身が、まずは自分を育てなければならない。
JIMI-Labとしての最初の活動は、ゼミ形式での相互研鑽の場づくりでした。
他者の成長への本気のコミットメントを持ち、それぞれが取り組んでいる協働事業を事例として、深く強いフィードバック・問いを投げかけ合いました。
内省が促され、意識・姿勢・行動に変化が起きる手応えを感じました。
しかし、「こうすればうまくいく」というような答え・一般解を安易に求めることはできない領域でもあります。
だからこそ、自分と他者への問いを立てることを常に忘れず、成果のための仮説をアップデートし続ける。そんな人材が育つ場をつくることが必要不可欠であり、その役割と責任を、JIMI-Labとして担いたい。そのために、法人として設立することにしました。
私たちJIMI-Labは、あくまで学び・成長を止めない学習者として、また、問いと仮説を立て成果を志向して動き続ける実践者として、得られた気づきや価値を広く共有する活動に邁進します。
一般社団法人JIMI-Lab
代表理事 五井渕 利明